スカルス手芸学校で手芸を学んできました!【体験記】

デンマークには、独特の教育機関であるフォルケ・ホイスコーレという学校があります。

それぞれのホイスコーレは体育系であったり、芸術系であったり、ある特定の分野に特化したところが多くあります。ここでは、デンマークのスカルス(Skals)という地域にある手芸が学べるホイスコーレに留学したSofieさんの留学体験記を紹介します。

スカルスについて

こんにちは、Sofieです。

今回は、私の行っていたスカルス手芸学校Skals Design og håndarbejdsskole)について書こうと思います。

よく、そこは大学なの?専門学校なの?と聞かれるのですが、

デンマークには、「フォルケ・ホイスコーレ」(以下、ホイスコーレ)という学校が約100校70校あり、

その中の1つがスカルス手芸学校です。

このホイスコーレとは、民衆のための大学として始まり、

国際的には成人教育機関として知られているようです。

私は「学びたいことと、生活することを学ぶ学校」だと考えています。

17歳半以上の人なら誰でも学べて、試験もなく、資格も必要ありません。

寮生活で、デンマーク人と生活を共にしながら学びます。

skals entrance

スカルスの学校を正面から

(参考リンク:デンマークのホイスコーレ一覧【hojskolerne.dk】

【コースの種類】

スカルスでの主なコースは2つ。

編み物、洋裁、刺繍、織物などの手芸をメインに学ぶクラシックコース(約4ヶ月、年2回)と、

ファッションデザインやプロセスを学ぶデザインコース(1年間)です。

その他、週末のみの自由参加の授業もあります。

【一日のスケジュール例】

一日の流れは下の通り。(月~金が授業。土日はおやすみで自由です。)

7:45~8:15  朝食

8:30~    朝の会 デンマークの歌を歌って、日替わりで先生たちが小さな講義をしてくれます。連絡事項なども伝えられます。

9:00~    授業

10:15~10:30   休憩時間 みんなと話したり、本を読んだり。コーヒー・紅茶と果物が出ます。

10:30~    授業

12:00     昼食

13:00~    授業

14:15~14:30 休憩 手作りのケーキが出たり、クッキーが出たり。

15:00     授業終了 夕飯までは自由時間です。

18:00     夕食

19:00     ワークショップなど(日によります)

その他、火曜・木曜の授業後にみんなで学校を掃除する時間があったり、

一週間交代でキッチンのお手伝い当番が回ってきたります。

学内の風景

学内の風景

私が参加したのは8月~12月のコースだったのですが、11月下旬頃、Study Tourも組まれていました。Study Tourはプチ修学旅行のようなもので、今回はコペンハーゲン1泊2日の旅でした。デザイン学校の見学をしたり、ミュージカルを見て、舞台裏を見学したり、織物やファッションデザイナーの会社を訪れたり。

行き先は毎年変わるそうです。

【スカルスを選んだ理由】

この学校を選んだ理由。

私はデンマークの生活に興味があったのと、手芸などものをつくることが好きだったからなのですが、

実際に行ってみて、もっと深いところにあるものを学ぶことができました。

他人と会話して、考えて、今の自分と向き合うこと。

スローで必要なものしかないその場所は、「考えることができる時間」、そして「他人とコミュニケーションをとる時間」がたくさんあります。

夕食後、みんな同じ部屋に集まってものづくりをしながらおしゃべりをする、というのが日常でした。

コリドール

学内の風景

そもそもこのフォルケホイスコーレの目的は、

趣味や能力を伸ばすことではないのだそうです。

対話と共生を通して、自分の生きるモチベーション、

他者を考慮した自己表現を見出すことだそう。

デンマークでは、

失業者がフォルケに通って生きる意欲を取り戻すことも少なくないのだとか。

私も悩みの多かった時期で、

年齢も国籍も違うクラスメートたちに相談したり、

ときにはたわいもない話で盛り上がったり。

一緒に泣いてくれたこともありました。

もちろん、部屋にこもってひとりで考え込んでしまう日もありましたが、

言葉にして、相手に伝える。言葉を聞いて、相手を理解する。

単純だけどとても大切なことを学べた場所でした。

そんな関わりがもてる人たちは、

家族とも友達とも違う、トクベツな存在になりました。

フォルケではそんな素晴らしい出会いがきっとあります。

織りの部屋

織りの部屋

生活編

次に、デンマークでの生活について書こうと思います。

私が行っていたのはものづくり中心の学校だったので、4ヶ月のほとんどは、ニットをしたり刺繍をしたり、織り機の部屋にこもったりと手芸漬け。朝から晩まで好きなことができる幸せを日々感じていました。

私自身、根っこはアウトドアで、外に出ることも好きでした。学校から歩いて30分ほどの場所にフィヨルドがあったので、まだ日の長かった8・9月は、授業後や休日によくランニングや、カメラを持って友達と散歩に出かけました。

to the フィヨルド

フィヨルドへの道

絵に描いたような広大な草原に、牛や馬が日向ぼっこしていたり。サイクリングロードにもなっている小さい小道がくねくねとフィヨルドまで続いています。

フィヨルド

デンマークのフィヨルド

【スカルスの町】

コペンハーゲンから電車とバスを乗り継いで5時間ほどの、デンマークの北西に位置する小さな町です。

スカルスの町

スーパー1軒、コンビニ1軒、セカンドハンドショップ(リサイクルショップのようなお店)1軒、ピザ屋さん1軒、バー2軒、年末にできたばかりの乙女なVintage shop1軒。

銀行(ATM)も1軒、郵便はコンビニで。

さらに、スカルスでは有名(?)な、Wood manという木材を使った額やトルソー、手芸で使える用具などを手作りしているやさしいおじいさんの工房があります。クラスメートはオーダーメイドで小物を作ってもらっていました。うらやましい!

そんなお願いも聞いてくれる、すてきな方です。

学校の授業で使う毛糸、生地、刺繍糸などの手芸用品は、学校でも買える他、セカンドハンドショップにもまだまだ使えそうなものたちがお安くたくさんあります。宝探しみたいに、お店をのぞきに行くのが好きでした。実際、私もテーブルクロスでお出かけ用のドレスを作りましたよ(^^)日本でもしっかり使えています。いいお買い物でした。

それでも探しているものがないときに行くのが、バスで20分ほどのViborgという街。そこも決して大きな街とは言い難いのですが、毛糸屋さんや生地屋さんなどの手芸品店、ファーストフードやカフェなど、スカルスにないものが揃っています。私は1時間ほどかけてサイクリングに行ったりしていました。アップダウンは多いですが、いい運動になります。(自転車は学校のものを自由に使えます)

基本的に、このような感じで日々ゆったりと過ごすことが多かったです。

【お酒とバー】

これは余談ですが、私はお酒にも興味があり、デンマークのお酒「スナップス」を試そうと友達とスカルスのバーに行ったことがあります。そこは、懐かしい音楽が流れていて、それに合わせてデンマーク人の夫婦や友達同士がお酒を飲みながらゆったり踊っている、夢のような空間でした。新入りの私たちに声をかけてくれて、一緒に踊ったのもいい思い出です。

後日、町を歩いていると、バーの店員さんやお客さんに会うこと会うこと。(笑)それほど小さい町なのですが、たった一晩でたくさん知り合いができ、つながりができて、外に出るのが一層楽しみになりました。

田舎町のバー、ならではです。

【デンマーク人の幸せ】

11月頃から、日も短くなり曇りや雨の日が多くなります。そんな中一瞬でも太陽が見えて陽が差すと、デンマークの人たちは踊り出してしまうくらい喜ぶんです。思わず私も外に飛び出してしまいました。虹が二重に出たときもそう。そんな小さな幸せがいくつもあります。

あるデンマーク人に、「デンマークって世界で一番しあわせな国って言われてるけど、どう思う?」と質問したことがありました。すると、「しあわせ、と感じる瞬間って人それぞれだけど、私たちはすべてのことに『感謝』して生きているから、どんな小さなことも喜べるのよ。それってすごくしあわせなことでしょう?」と答えてくれたんです。あぁ、なるほどな、と思いました。同時に、私もそうでありたいと強く思いました。

デンマークに来て、スカルスに来て良かったと、しあわせを感じた瞬間でした。

洋裁部屋

洋裁の部屋

準備編

さて、「私もスカルス手芸学校に行ってみたい!」と思ってくれた人もいるかもしれませんので、最後にデンマークへの留学までの流れを書きたいと思います。

デンマーク留学の仲介業者スカルス手芸学校への入学手続きをサポートしてくれる会社もありますが、

個人的にひとりでプラン立ててこなしていく、というプロセスが好きなので

私は利用しませんでした。

ここに書くのはあくまでも私の場合です。他にもっと良い方法があるのかもしれませんが、参考程度に見て頂けるとありがたいです。

【まずは学校に申込み】

1.HPにある入学フォーム記入・送信

これはどの学校にもあるのかは定かではありませんが、スカルス手芸学校の場合、HPにフォームがあります。私が応募したときはデンマーク語しかなく、辞書片手に必死で入力したのを覚えています(笑)

2.学校から【Invitation】の書類が届きます

フォームを送信すると、数日後に添付書類とともに返信が来ます。この書類には、学費の内容、振込み先の口座、支払い期限などが記載されています。

このときに注意して頂きたいのが、記載内容です。私はフォームで相部屋希望にしたはずが、一人部屋になっていて金額が上がっていました。

デンマークはこういう緩さがあるので、しっかり隅々まで読んでくださいね。

3.学費振込み

期限までに学費を振り込みます。これも方法がいろいろあり、ネット上で送金できるシステムや、銀行から送る方法、ゆうちょから送る方法などがあるようです。私ははじめゆうちょで送金しようとしたのですが、何らかの原因で送れず、デンマークの取り扱いのある銀行から海外送金をしました。手数料にどのくらい差があるのか、などは各金融機関によって異なると思いますので、確認をしたほうがいいと思います。

また、海外送金は思っていた以上に時間がかかります。申込みは、十分余裕を持って行ってください。

4.学校から【ST1】の書類が届きます

【ST1】とは、学生ビザのこと。デンマークでは90日以上滞在するにはビザ(滞在許可証)が必要ですので、こちらの書類から申し込みましょう。こちらの書類は、学校側が記入する部分と、生徒側(自分)の記入部分と2部構成でできています。自分の部分は埋められるところは埋めて、不安なところは空けておいて大使館で聞きましょう。

【デンマーク大使館へ】

5.東京のデンマーク大使館へ

私は大阪在住なのですが、大阪にある大使館に問い合わせてみると、指紋の登録が必要だとわかりました。指紋の登録は東京でしか行えないらしく、代官山にある大使館へ。このときに【ST1】の書類も忘れずに。大使館は予約が必要となるので、事前に大使館員の方とメールでやり取りをします。必要書類などはそのときに確認しておきましょう。

6.結果待ち

大使館より連絡が入ります。

7.学校から入学案内のメール

そして、全てが終わると、スカルス手芸学校への入学日時を案内メールが来ます!

「○月○日、○時~○時の間に到着するように」といった感じで。

*他のホイスコーレはわかりませんが、スカルス手芸学校では料金を払えば入学日以前に学校に入って滞在が可能だそうです。詳細は学校に直接問い合わせてみてください。

【入校】

デンマークへは各自で飛行機のチケットをとって向かいます。私は学校に入る前、少しひとり旅をしてから行ったのですが、それまで日本人のいない空間に慣れていたからか、スカルスに来て8人も日本人が来たことにびっくりでした!(笑)デンマーク人は20人ぐらいいました。

 【言葉】

スカルスの学校に数カ月滞在するのであれば、デンマーク語とは言わずとも、やはり最低限、英語で意志疎通できる力は必要になります。手芸以外のところでも、自分が何をしたいのか、相手が何をして欲しいのか、コミュニケーションが取れるぐらいの英語力をつけておくことは必要だと思います。コミュニケーションあってのホイスコーレだと思いますので。

自己紹介

名前:Sofie

人・モノ・自然等、出会いの多い旅に魅せられ、

学生時代から国内外さまざまな場所へ。

旅をしていくうちに、その土地ごとのライフスタイルに興味を持ち出す。

大学卒業後、以前から気になっていた北欧の生活を実際に感じたいと思い、

2014年夏から4ヶ月間スカルス手芸学校に留学。

帰国後、デザイナーのもとで仕事を始める。

将来は両親の実家である三重の田舎でゲストハウスをしながら

日本の田舎を守っていく取り組みができれば・・・と構想中。

まとめ

Sofieさん、貴重な手芸留学体験をシェアしてくれてありがとうございました!デンマークへの中長期滞在を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

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