コペンハーゲンは「自転車優遇政策」により通勤・通学で使う人が多数

一昔前は自転車といえば中国をイメージした人も多いと思います。しかし、今、北欧の小さな国であるデンマークが自転車大国として世界で注目され、また 国を挙げてその発展に取り組んでいます。特にコペンハーゲンは自転車都市のロールモデルとしてとして多くの国が注目し、それを真似しようとしています。この記事では、コペンハーゲンがどのように自転車が乗りやすい街を作り、実際にどのように使われているのかをデンマーク公式サイトを元に紹介していきます。

 

1.自転車都市コペンハーゲン

1.1.多くの人が自転車で通勤・通学

みなさんは、毎朝の通勤・通学では何を使っているでしょうか?交通手段としては、電車、バス、バイク、自転車や徒歩など、色々ありますよね。これに対して、コペンハーゲンに通勤や通学している人の中では、37%の人が自転車を好んで使っていると答えたそうです。その中でも、特にコペンハーゲンに住んでる人(コペンハーゲンっ子とでもいいましょうか。)に限って言うと、自転車を通勤・通学に使う割合は55%にまで上がるそうです。

「どうしてそんなに、自転車に乗るの?やっぱり環境に配慮して?」そんな疑問が湧くかもしれませんが、「環境のため」と答えた人は全体の1%程度で、大方の人の理由は「早くて、楽だから(Quickest and easiest)」だそうです。確かに、自転車だったら、ぎゅうぎゅうの満員電車でもみくちゃにされることもなく、バスの遅れにイライラすることもないですよね。

1.2.車より自転車が優先される都市

しかし、コペンハーゲンが「自転車の方が早くて、楽な社会」になれたのは、行政側が自転車都市を作ろうとプランを考え、そして実現させていったからに他なりません。例えば、コペンハーゲンの街には車道と歩道に加え、自転車専用道路(以下、自転車道)が整備されています。しかし、この自転車道はただ自転車が通っていい道路なだけではありません。自転車は車道と歩道の間に作られ、車のような右側の一方通行。そして、基本的に歩行者は自転車道を歩いてはいけないことになっています。私がデンマークに来たころは、うっかり自転車道路を歩いてしまいました。すると、後ろからベルを鳴らされ「ここは自転車道路ですよー!」などと怒られてしまいました。

そして、注目したいのが街に設置してある信号です。街の信号は青から赤に変わる速度が、一般的な自転車の速さと同じ速さである、時速20キロに設定されているのです。これは、何がすごいかと言うと、時速20キロで自転車乗っている限りずっと青信号を通ることができるわけです!会社や学校に行く間に一度も赤信号に捕まることなく、自転車から降りずに通勤・通学をすることができるようになっているので、確かにコペンハーゲンでは「早くて、楽」になるのでしょう。もちろん、車はちょくちょく赤信号に捕まってしまうかもしれませんが、「それが、いやなら自転車に乗りましょう」ということでしょうか、笑。

さらに、冬場の除雪作業も、いくつかの道を除いては、基本的に車道よりも自転車道を先に除雪しなければいけないと決まっているので、雪が降ってもみんな自転車通勤・通学が続けられるようになっているのです。ものすごい自転車優遇政策ですね。

こういった仕組み作り、それこそ「街づくり」は国が数十年かけて取り組んできた結果だそうで、今は多くの国がコペンハーゲンをモデルとした自転車の街を真似しようと努力しているそうです。

2.自転車のルール

しかし、優遇されてるからといって、もちろん何をしてもいいという訳ではありません。やはり、色々と決まりごともあり、違反した場合は罰金を支払わなければいけなくなります。基本的な自転車のルールとしては以下のようなものがあります。

2.1.手信号と2段階左折

まず、自転車は自転車道を走らなければいけないのはもちろんですが、進路変更、停止の際は車やバイクのウインカーの代わりに、手で合図(手信号)を出さなければいけません。例えば、交差点を右折する時は右手を右斜め下に下げます。左折の際は左手を左斜め下に下げます。そして、停止の際は右腕を直角に曲げ、上にあげます。挙手のような感じですね。

交差点で右折の時は手信号のみで問題ありませんが、左折の時は注意が必要です。基本的に交差点では2段階で左折、つまり一度横断歩道を渡ってから、左向きに自転車を向け、自転車道へ戻ることになっています。ただし、自転車を降りた場合は歩行者と同じ扱いになるので、自転車を押している状態であれば、交差点の左側の道を通っても大丈夫です。

2.2.自転車レーンの右と左

自転車道は一方通行で、車と同じ方向を走ります。そして、自転車道の1レーンの中でも右側と左側があり、左は追い越し用にあけておきます。これをしないと、後ろから急いでる人に怒鳴られることもあります。右側を走る人はゆっくり、左側は急いでる人が通るんですね。ちなみに、原動機付き自転車(原付)は車道じゃなく、自転車道を通るので、それにも気をつけていないと危ないです。基本的に自転車道ではみなすごい速さでこいでいるので、徒歩で観光している時でも、間違って飛び出さないようにしましょう、大事故につながってしまいます。

2.3.自転車前後にはライトを取り付ける

また、夜間や朝の暗いうちに運転する際は、前に白色、後ろに赤色のライトを点灯させなければなりません。

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うっかりつけ忘れたら2万円ほどの罰金を取られてしまいます。中長期滞在する人は自転車を使うことが多くなると思いますが、ライトはデンマークのスーパーやTigerをはじめ割とどこでも手に入るので、手に入れておきましょう。写真のライトはLEDライトで、ボタンを押しておくだけでチカチカと点灯します。また、自転車は高価なため、デンマークでも盗難が少なくありません。デンマークで自転車を買ったり借りたりした場合は、必ず施錠をしましょう。

さて、多くの人が自転車に乗れるように自転車優遇政策をしてきたデンマークですが、このように、色々ルールがあることで、安全に乗ることができるのですね。逆にデンマーク人は日本の自転車の乗り方についてどう思っているのでしょうか。日本に行ったことがあるデンマーク人の友人に、日本人の自転車の乗り方について聞いてみましたが「日本人は右も左も関係なくどこでも走るから怖かった。ちゃんとルールがあったほうがいい」とのことでした。日本もルールはあるのですが、残念ながら必ずしも守られていないのが実情ですよね。もし自転車道が整備され、自転車の義務だけでなく権利も得られるようになったら、コペンハーゲンと同じようになっていくのかとも考えますが、ひとつひとつの道がせまい東京ではまだ難しそうですね。。

3.その他

3.1カバー

自転車は多くの人が使っていて、街では自転車専門店や自転車用品専門店も多く見られます。しかし、基本的に値段は高く、安くていいものはあまり手に入りません。そんな中、写真のような光景も見られます。

自転車カバー

写真にはオレンジ色のサドルカバーをつけた自転車が並んでいます。実は、これ、駐輪場に止めてある自転車のサドルにイベントの告知のカバーが勝手にされたものなのです。

勝手に人の自転車にカバーをしていいのかな、なんて思いますが、防水のサドルカバーなら実用的な上、ずっと使ってもらって広告効果も上がるため、Win-Winの関係になるのでしょう。私の自転車にもカバーがされていて、ちょっとラッキーという感じでした。広告の媒体として自転車のサドルカバーというのは日本では見たことがなかったので、人と自転車の関係がやはり近いのだなと思わされました。日本だと夏に広告入りのうちわを配るのに似ているかもしれませんね。

3.2.バスをおりるときは自転車に注意

ずっと自転車利用者の目線で書いてきたので、ここでちょっとバス利用者目線で自転車を見てみます。すると、バス利用時には、特にバスから降りるときに注意したほうがいいです。はじめに、自転車道は車道と歩道の間に作られていると言いました。それはバスに関して言うと、バス停を降りると、そこは歩道ではなく自転車道になっているということなのです。もちろん、車道と自転車どうの間に縁石があって、一旦安全に降りられるところもありますが、すべてのバス停でそうなっているわけではありません。ですので、バスから降りたところがいきなり自転車道路だったりすると、右側から自転車がやってくるので危ないことがあります。バスから降りるときは、右からくる自転車に注意して降りましょう。

3.3.こどものイスが顔に見える

さて、街では日本と同じように、子供用のイスをつけた自転車も多く見られます。

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しかし、初めてそのイスを見たときから、私には顔に見えて仕方ないのです。先日写真を撮ってみたのがこちらです。

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どうみても顔ですよね?しかも、眉毛が濃い?なんか笑ってる?もう少し近寄って見ると…。

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・・・鼻水出てる?笑

一枚目の写真を見ると、眉毛に見えるのはベルトを固定する部分なのですが、ベルトで鼻の部分が引っ張られて「いででで」ってなって鼻水でちゃった、みたいになってますよね、笑。私はこのイスを見るたびにちょっと笑ってしまうのですが、友人はあまり気にしていないようでした。

3.4.世界で特集が組まれる

さて、紹介してきた、これらコペンハーゲンの自転車文化については多くの国で特集が組まれ、Youtubeにも多くの動画が載せられています。例えば下の動画でもコペンハーゲンの自転車の様子が紹介されています。


(by Youtube:Soniastravels)

4.まとめ

このように、デンマークでの自転車への考え方やルールなどは日本とは違ったところがあり、今後日本が学ぶところが多いかもしれません。もちろん全て真似することは難しいとは思いますが、日本でも最近の自転車ブームから自転車通勤をする人が増えているとも聞きます。あなたも、明日は自転車で通勤してみませんか?笑